英語スピーキングテストの入試導入は段階的に!

プロジェクトリーダー羽藤由美教授のコラム「定期テストから入試へ:高・大をつなぐスピーキングテスト開発の現場から」が,大修館書店「英語教育」2016年12月号(36頁)に掲載されました。(以下抜粋)

「テストというだけで権威とみなしてはいけない。話す能力に点数をつけることの危うさを前提として,外部テストの品質検証や得点利用の方法が今後,慎重かつ公正に検討されることを願いたい」

「入試にスピーキングテストを導入すれば,合格者の入れ替わりが必然的に起こる。それを肯定できる教育ができているか。現行の教育では十分に育たない能力を入試で試してよいのか」

「教育を変えるために入試を変えるのは,そもそも本末転倒である。時期とのかね合いもあるが,中→高→大,定期テスト→入試と段階的にスピーキングテストを導入する道もあるはずだ」

スピーキングテストを開発・運営した実績に基づく提案です。字数の関係でコラムに書けなかった詳細は,羽藤教授の個人サイトをご覧ください。

SIGUCCS 2016で研究発表をしました

2016年11月6日〜9日に,米国コロラド州のデンバーで開かれた情報系の国際学会SIGUCCS 2016において,桝田秀夫教授(情報科学センター)を中心とするメンバーが,“Secure Data Management in an English Speaking Test Implemented in General-purpose PC Classrooms”というタイトルで研究発表を行いました。

発表では,本学で英語スピーキングテストを開発・実施した実績に基づき,大学の情報処理演習室において入学試験の一環としてCBT方式の英語スピーキングテストを実施するためには,(1)受験者情報,回答音声データ,成績などの個人情報を管理する際の機密性,完全性,可用性を確保できるシステム構築が必要であること,(2)テスト実施の直前まで,また,テスト終了直後から通常業務ができる態勢を確立するために,Windowsのカスタムイメージの作成が有効であることなどを論じました。

学会予稿集

CBT方式英語スピーキングテストのパイロットテストを実施しました

2016年10月27日(木),本学情報科学センター演習室にて,毎年1年次生全員を対象に実施しているCBT方式英語スピーキングテストの性能向上を目的としたパイロットテストを実施しました。テストは3回に分けて行われ,学部生と大学院生計34名が被験者として参加しました。img_9812

Celebration of Nic’s life in Kyoto

去る9月22日に急逝された本プロジェクトの研究アドバイザーNic Underhill氏の人生を讃える会が,10月15日に英国ケント州のRomney MarshにあるSt Dunstan’s Churchで行われました。Underhill氏への感謝を込めて私たちのチームが作ったビデオもこの会で上映されました。このビデオからもお分かりいただけるように,彼は仕事の面でも人柄においても素晴らしい人でした。

Video: Celebration of Nic’s life in Kyoto

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研究アドバイザーのNic Underhill氏が逝去されました

2016年9月22日,本プロジェクトの研究アドバイザーであるNic Underhill氏が急逝されました。

Underhill氏はヨーロッパや中東で英語を教えた後,英国ブライトンの語学学校やシェフィールド・ハラム大学のTESOLセンターでマネージメント業務をされ,その後,ケンブリッジ大学英語検定機構(現 Cambridge Assessment)において,さまざまなテストの開発運営に携わってこられました。

彼の著書 Testing Spoken Language (Cambridge University Press, 1987) は,スピーキングテストの研究に多大な貢献をしたことで知られています。

Underhill氏はこのプロジェクトの立ち上げ当初から,研究アドバイザーとして私たちを導いてくださり,2013年3月に開催した「入試改革を考えるKITシンポジウム:大学入試への英語スピーキング・テスト導入の可能性をさぐる」では,“Testing Spoken English: Developments, Challenges and Responses”と題した基調講演をしてくださりました。

その後も毎年来日して, 私たちが開発運営しているCBT方式のスピーキングテストとスカイプ方式のスピーキングテストの維持発展に力を貸してくださいました。研究と実践の両方に根ざしたUnderhill氏の助言は,私たちにとってかけがいのないもので,亡くなる数日前にも採点者訓練の改善に向けた貴重なアイデアをくださりました。

Underhill氏は仕事においても人柄においても,心から尊敬できる方でした。彼のサポートがなければ,私たちはここまで来ることができませんでした。メンバー一同,Underhill氏への感謝を胸に,彼から学んだことを今後の研究開発に活かしていきたいと思います。

Nic, we miss you sorely.

日本テスト学会第14回大会で研究発表をしました

2016年9月8日,9日に,電気通信大学で開催された日本テスト学会第14回大会において,光永悠彦講師(島根大学教学企画IR室講師,心理統計学)を中心とするメンバーが,「大学・大学院入試に向けた英語スピーキングテストの尺度化事例ー受験者特性と評価者属性を考慮したモデルによる検討」というタイトルで研究発表を行いました。

発表では,本学の英語スピーキングテストで得られた結果データを,Many facet Rasch model等の多相データに対応するモデルで分析した結果を報告するとともに,大学入試でスピーキングテストを行う上で,受験者特性及び評価者の属性を考慮に入れた分析を行うことが重要である点を指摘しました。

研究開発メンバーの全体ミーティングを行いました

2016年8月9日(火),本学にて,今年度末に本学で実施するCBT方式英語スピーキングテストと,京都工学院高校で実施しているビデオフォン(skype)方式の英語スピーキングテストに関するミーティングを行いました。ミーティングには羽藤由美教授を代表とする本学教員,立命館大学経済学部の清水裕子教授,島根大学 教学企画IR室の光永悠彦講師,研究アドバイザーのNic Underhill氏(元ケンブリッジ大学ESOL試験機構地域プロジェクトディレクター),本プロジェクトにシニアレーターとして参加しているGlen Edmonds氏らが参加。今後の研究方針に加えて,CBT方式スピーキングテストについては受験環境の公平性や採点の信頼性向上,ビデオフォン方式スピーキングテストについては,採点基準や採点方式の確立に向けた議論が交わされました。